私は兄弟3人の一番下でした。
兄が二人とも医学部へ進学していましたので、何となく医学部へ進むのが当然のように考えていました。
したがって、医師になりたいという強い思いはありませんでした。
医学部を選んだ理由は、高校時代の偏差値がまずまずで合格できそうだったからなので、医師という職業に就きたいと思った年齢(瞬間)はありません。
実際に医師となってからは、しんどいこともたくさんありました。
「自分は医師に向いていないんじゃないだろうか?」と悩んだこともありましたが、患者さんから「先生、ありがとう」と言ってもらえることが支えとなり、徐々に医師としての自覚とやりがいを感じるようになりました。
今はこれが自分にとって天職なのかもしれないと感じています。
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医療は多くの患者さんと接する職業ですから、いろいろな職業や様々な人間性と接することになります。
したがって、習い事含めたすべての経験が、必ず役に立ちます。
医師というと患者さんをみる職業と思われがちですが、実はそれだけではありません。
ノーベル受賞者の山中伸弥さんや本庶佑さんは、医師ですが、研究者として実験をしています。
保健所やWHO(世界保健機関)で事務管理をしている医師もいます。
いろいろな人が医学には必要ですが、医学は日々進歩しますから、勉強熱心な人が向いていると思います。
勉強熱心というのは、学校の覚える勉強が好きというより、自分で考えることが好きという意味です。
大学受験のために勉強をしている時期、自分のペースで集中して勉強がしたかったので、母親に食事や風呂や夜食の時間を私の勉強スケジュールにきっちり合わせてもらいました。
おいしい夜食やおやつを作ってもらえたのが、とても嬉しく、次のやる気につながりました。
医師・看護師・薬剤師・放射線技師・理学療法士などといった医療関係の仕事は、世界中で一番、「ありがとう」をたくさん言ってもらえる職業だと思います。
責任が大きいのも確かですが、それ以上にやりがいのある、幸せな職業です。