Tobira

マリアナ LYS

芸能・娯楽・放送 プラスサイズモデル 兼 ボディポジティブ・アクティビスト
物心がついた頃から「太い」が自己認識の中心となり、20代半ばまで自尊心に影響。ボディポジティブにより自分を解放できた経験から「ありのままの自分になれるボディポジティブ」をモットーに、2018年秋よりプラスサイズモデルの活動を開始。各種イベントで登壇し、ボディポジティブやセルフラブの啓発活動も行う。2023年、米国ファッションウィーク会期中に現地ランウェイを歩いた初の日本人プラスサイズモデルとなる。

これから目指す人へ

きっかけ

中学生の頃からダイエットとリバウンドを繰り返すようになり、20代半ばには「周囲を黙らせたい」という思いから、半年で10kg減量するほどの急激な食事制限と運動に取り組みました。自分では理想の体型に近づいたつもりでしたが、周囲からは「次は下半身を細くしなきゃね」など、痩せることを前提とした言葉が止むことはありませんでした。

その経験を通じて、健康=細さではないこと、そして健康な体のあり方は一つではないと初めて実感しました。そこで「ボディポジティブ」という考え方が、ようやく自分の感覚と重なったと感じました。

当時、欧米ではボディポジティブのが広がりつつありましたが、日本では言葉だけが先行し、本来の意味とは異なる形で使われている場面も多く見受けられました。だからこそ、日本において本質的なボディポジティブを伝えたい、特に家庭内で無意識に起こるボディシェイミングを減らしたいという思いが強くなりました。

その想いを社会に届ける手段として選んだのが、プラスサイズモデルという表現の場です。
たまたまInstagramで出会ったプラスサイズモデルの方が代表を務めるモデル事務所のオーディションを知り、応募・合格したことをきっかけに、プラスサイズモデルとしての活動をスタートしました。

目指した年齢

28歳です。
幼少期に6年間アメリカで過ごした経験から英語を活かした仕事を志し、当初は通訳者を目指していました。しかし大学4年時に挫折を経験し、その後は「英語を使いたい」という漠然とした思いのまま新卒で秘書系の仕事に就きました。自分に合わないと感じながら模索する中で、偶然たどり着いたのが広報の仕事でした。

そして28歳のとき、初めて「この仕事を本気で続けたい」「自分の力を注ぎたい」と心から思えたのが、プラスサイズモデルという活動でした。これまでの経験や想いがすべて一本につながり、ようやく自分の軸を見つけられた年齢だったと感じています。

役に立った習い事

・新体操(小学2年生~4年生の頃習っていたものの、妹だけが上達して嫉妬を抱いたため、辞めました)
・テコンドー(小学5年生~中学1年生、そして大学の4年間やっていました)
・ウォーキング(モデル活動を開始してから、受け始めました)

この職業はこういう人に向いている!

・既存の偏見や固定観念にとらわれず、表現を通じて自分自身だけでなく、見る人の価値観や可能性もエンパワーしたいと考えている人
・「自分を見せたい」という欲求よりも、「自分という存在を通して、商品やメッセージ、世界観の魅力を伝えたい」という意識を持ち、対象となるものを多くの人に魅力的に届けたい人
・体型や見た目にまつわる偏見や差別、ルッキズムに関し、戦いたいと考えている人
・過酷なダイエットによる健康悪化や、摂食障害に苦しむ人を少しでも減らしたいと考えている人

印象に残る親のサポート

正直にお話しすると、私がプラスサイズモデルとして活動を始めた当初、親から積極的なサポートを受けたという印象的なエピソードはありません。むしろ否定的な反応のほうが多く、プラスサイズモデルになると伝えた際には、「このまま太り続けるということなの?」と受け取られてしまったこともありました。

一方で、「家族のサポート」という観点で最も心に残っているのは、妹の存在です。初めて出演したファッションショーには、遠方にもかかわらず友人と一緒に駆けつけてくれましたし、オーディション前には必ず応援のメッセージを送ってくれます。出演しているCMをテレビで見かけるたびに、すでに何度も見ているはずなのに、「今見たよ!」と連絡をくれます。そんな何気ない応援が、私にとって大きな支えになっています。

これから目指す人への応援コメント

皆さんそれぞれ、何気なく投げかけられた言葉や、知らず知らずのうちに刷り込まれたコンプレックスに悩んできた経験があると思います。
でも、どうか「今いる環境」や「日本だけ」が、あなたのすべてだと思わないでください。

日本を一歩出てみると、日本ではネガティブに受け取られがちなことが、他の多くの国では「個性」や「魅力」として評価され、実際に活躍している日本人・アジア系のモデルがたくさんいます。

SNSが普及した今、私たちはさまざまな人の生き方や活躍を目にできる時代にいます。人種や体型、性別といった枠を超え、多様なジェンダーや価値観を持つ人たちの姿に触れながら、ぜひ視野を広げてみてください。そして、自分の中に知らずに抱えている偏見や「できない」という思い込みを、少しずつ手放していってほしいと思います。

何度もつまずき、悩み、それでもまた立ち上がろうとすること。その積み重ねこそが、皆さん一人ひとりの強さです。
その強さや、そこに至るまでのストーリーは、プラスサイズモデルという形で社会に届けることもできます。

「誰かの基準」に合わせるのではなく、「ありのままを解放できた自分」を表現する選択肢のひとつとして、プラスサイズモデルという道があることを、ぜひ知ってほしいと思います。いつか皆さんと一緒のお仕事の現場に立てることを、楽しみにしております!